[2:Q&A これまで日本であった判例・考える素材]

Q:「日本でこれまであった例にはどのようなものがあるのでしょうか?」

A: 著作権の問題は、文部科学賞に著作権課があります。1899年に著作権法ができ100年行事として、2つのシンポジウムを企画されました。(芸能実演家団体協議会が主催) 1999年には日本で2つの振り付けについての著作権問題の結審がありました。

・ベジャールのアダジエットの盗作

・家元の作品を次の家元が継承するのかという問題

著作権法は、無形の感情の表現まで、著作としています。従って、ダンスは十分に、その対象なのです。 しかしWIPO条約のアメリカの法人を守る立場と、日本の個人を守る立場が、対立しています。しかも、金額が大きい映像や音楽における市場理論と、先進国と発展途上国の国是が、複雑なからみを持っています。現在、オペラシティの芸団協のなかに、著作権の課が設置され、大筋には、対応するサービスを提供しています。(若松美黄先生より)

参考:「 ダンスカンパニーと作品に対する権利に関する問題」

マーサ・グラハム舞踊団が活動を停止しました。作品に対する権利を所有しているプロタス氏とカンパニー・学校との間に生じた問題がきっかけです。「モダンダンスは常に発達をしていく以上、カンパニーの存続と作品を巡りこのような問題が起こるのはモダンダンスの特性ともいえる」と朝日新聞(2000/07/18 朝刊)はのべていました。

マーサ・グラハム舞踊団に対する署名

同舞踊団プリンシパル・折原美樹さんからです。 署名に限らず様々な協力をお願いします。(吉田悠樹彦)

DanceInsider.comに裁判の細かい経緯がレポートされてます。

 

Q:「指導者がエクスサイズを商標登録したいのですが?」

A: 日本ではボディをワークするという概念がないため、「ボディワーク」という名前をご自身のエクスサイズの商標にすることができませんでした。(橋本佳子先生より) 日本の社会では舞踊教育の指導者の間でエクスサイズの商標登録ができません。お互いに似たことをやっている事が多い指導者にとって、それぞれのメソッドが盗まれることを防ぐなんらの自助努力は必要です。

cf.欧米ではピラーティスがブームになり、家族から「ピラーティス」のネーミングの権利を得た人がネーミングに対する使用の権利を握ってしまい、トラブルを未然に防ぐためにネーミングを変えなくてはならないという問題も発生しています。

 

Q:「アプリケーションの開発をめぐってこれまで何かありましたか?」

A: 舞踊研究において近年舞踊家の動きをめぐってモーションキャプチャされたデータの利用が多いです。またそのデータを利用してアプリケーションが実装されることも多いです。モーションキャプチャされたデータは著作権の対象になりません。著作権との関連を考えて電子メディアを利用して舞踊家・研究者が活動をしていくことが重要です。

 

Q:「コンテンツと課金をめぐって教えてください」

A: E-Commerceの実験が多く行われているこの頃です。電子メディアを通じてダンスに関する情報を発信していく時、著作権とそのコンテンツに対する課金の問題が生じます。

 

[3:この問題系ついて考える上で必要なリンク集]